隣のあいつは憎いヤツ
別れ道
「帝国学園?」
「源田も一緒なんだぜ。勿論も行くだろ?」
何が「勿論」というのだろう。ほんと、この佐久間次郎というヤツは分からない。
私達はもうすぐ小学校を卒業する。
当然、中学校には通うつもりだが、帝国学園とかいうハイレベルな上に、金がかかるところなんていけるはずがない。
私は身の程というのを知っている。
「……私、雷門中にいくから」
「はぁ?」
何を言っているのか理解できない、とでもいうようなリアクションだ。
「雷門中って、サッカー部が弱小で有名な駄目駄目学校じゃねーか」
「……私、サッカーには興味ないから、別にいい。帝国って色々厳しいって評判だし、私は雷門にいく」
私の答えが、気に入らないのか、彼は睨むように言う。
「興味ないだと……。ああーそうかよ!こっちもムカつくお前の顔見なくてすむようになるから、清々するぜ!じゃーな!」
言いたいだけ言って、ヤツは走り去る。
……だから、どうしてヤツは相手を不快にさせる言動しか吐けないんだろ。
仲良くなったと思ったら、ひっかかれる。
「アイツとは家が隣だし学校が違っても会うんだろうけど、……源田くんとは会う機会がなくなるんだろうな」
それだけは残念だ。