暇つぶしにレッド団
ご飯ですよー
どうも。トキワのジムトレーナーのです。
前回、R(レッド)団結成のため団員募集をしたところ、危うく色々と完結しそいになったので、再度募集し直す事になりました。
その結果。
ジムリーダー、ジムリーダーを倒した名のあるトレーナー、四天王、チャンピオンといった非常に濃ゆい人達の入団が決まりました。
「……全員、暇とかおかしくない?仕事しなよ」
前回同様、レッドさんはトキワのジムリーダー席でふんぞり返っています。
最近、真のジムリーダーであるグリーンさんが、その席に座っているところを見ていない気がします。……気のせいだと思いたいです。
「何も仕事してねーお前が言うな」
そう言ってやって来たのは、我らがジムリーダーのグリーンさん。
ほかほかの白いご飯、味噌汁、焼き魚、ホウレン草のおひたしを乗せたオボンを手に、エプロンを装備してやってきました。
「大体、人のジムに居座っておいて『飯、作れ』とか言うお前こそ、どーなのって思わね?なぁ?」
どんな悪態をついてもその格好では、私の頬を緩めさせる事くらいしかできませんよリーダー。
「……ホウレン草嫌い」
リーダーの睨む攻撃はまるで効いていないようで、レッドさんは運ばれて来た料理のうち、ホウレン草のおひたしだけ横へ除けた。
「なっ!俺様の手料理だぞ!残さず全部食え!」
「…………仕方ない。、口開けて」
「……はい?」
いきなり何だろうと、レッドさんを見れば、手にはホウレン草のおひたしが入った器、反対の手にはそれを摘んだお箸が握られていた。レッドさんはドス黒いオーラを放ちながら、そのお箸をゆっくりと私の口へと近付けてきた。
……何がしたいかは分かった。嫌いなホウレン草を私で処分したいんだろう。
けど、分かったけど……!
……こわい!
「……レッド、テメェ何してる?」
「しがないジムトレーナーに食べ物を恵んでる。俺ってエライ」
いやいや偉くないから。……とは言えず、口を閉じたまま引きつった笑みを浮かべる。
「んなことしなくてもの分は別に用意してんだよ」
「え、いいんですか?」
「ま、こいつの我が儘に付き合わせちまったからな」
そんな優しいリーダーも素敵です。
……事の発端となる、いらぬ一言を言ってしまったのは私ですが……。
「チッ……よけいな事を」
「……レッドさん。お願いですから、その黒いオーラしまってくれません?」
「…………」
何を思ったのか、レッドさんはグローブをはずしだした。
…………あぁ、食事中ははずすもんなんだ。
結局、観念してホウレン草も自分で食べるんだと、横目で見て安心していると、いきなりレッドさんが距離を詰めてきた。驚いて後ずさろうとするより早く、レッドさんの片手が私の鼻をつまむ。
「!?!?!?」
一瞬の事で何が起こったのか理解できなかった。ただ、わかるのは、いつの間にか私の口元がレッドさんの手で覆われていたという事。そして、口の中に広がるこの味は……。
「あっ!レッド!テメェ!自分で食えって言ったろ!」
「…………口に入れたんだから、……出さないよね?」
……流石、リーダーの作ったホウレン草のおひたし、結構なお味で……。
レッドさん用なのに、私が口にしちゃってごめんなさい。
レッドさんの言うとおり、口に入れたものを出すわけにはいかない……何より、鼻と口をふさがれて苦しくて仕方ない。本当に仕方がないので、リーダーに悪いなと思いつつ、口に入れられたホウレン草のおひたしを飲み込んだ。
私がきちんと食べたのを確認して、レッドさんはようやく手をはなしてくれた。
「……けほっ……、すいませんリーダー」
気にすんなと言いつつ、リーダーは額に青筋を浮かべていた。
……本当に、すみません。
レッドさんはというと、リーダーの事などきにせず、べたついた手をペロペロとなめていた。
その後、私に用意されたご飯の中から、メインの焼き魚をレッドさんにとられました。
「…………ホウレン草あげたでしょ」
……彼の傍若無人ぶりには、かないません。