暇つぶしにレッド団

脅迫はやめて下さい


こんにわです。
現在、私はトキワジムにて正座しています。かなり痺れてきました。
目の前には、レッドさん。相変わらずジムリーダー席に堂々と座ってます。

「……で?言い出しっぺの君は、他にアイディアあるの?」

彼が何を言っているのかと言うと、R(レッド)団らしい事してないんだけど、何すれば良いのかと、私に聞いているわけなんです。

「……えーと」
「…………」
「……うーんと」
「…………」

相槌くらいうってくれたって良いんじゃないでしょうか?
沈黙が痛いです。

「まだやってたのかよ」
「……リーダー」

そう言ってやって来たのは我らがトキワジムのリーダー、グリーンさん。
リーダー席をレッドさんに盗られたので、久々にやって来た挑戦者との対戦は入口前で行われました。

「……グリーン、負けた?」
「んなわけねーだろ!」
「…………つまらない」

今なら、こっそり足を崩しても大丈夫かもしれません。
一応、レッドさんにアイディア出るまで正座しているように言われたけど、今はリーダーもいるし、何とか……

「…………」

顔色伺おうと、そっと見上げたら、……バッチリ睨みつけられました。

……ハイ。無理ですねー。

正座を続ける私を見てリーダーが一言。

、足痺れねーか?」
「麻痺状態です」
「そうかそうかー」

頷いたグリーンさんはゆっくりと私の後ろに回ると…………私の足の先を踏み付けた。

「ひゃああぁっ!」
「お。良い反応」

悪戯が成功した子どものような笑みを浮かべて、リーダーは笑った。かなり楽しそうに。

「な、なにするんですか!」

足が痺れているのでまともに歩けない私は、床を這って何とかリーダーから離れた。

「いや、足痺れてんなら、やりたくなるだろフツー」

そうニヤニヤと笑うリーダーは、じりじりと距離を詰めて来た。

「わーっ!ストップストップ!」

再び、床を這って逃走しようとしたらいきなり背中に何か乗ってきました。
かなり重くて「ぐぇ…」と、変な声と一緒に変なモノまで出そうになりました。

「……楽しそうだね」
「ひゃぁ!や、やだやだやだ!やめてー!」

背中に乗っているので顔は見れないけど、その恐ろしいくらい低い声は紛れもなくレッドさんのもので、撫でるように私の足を触っている冷たい手も、おそらくレッドさんのもので……つまり、私は今……

「……あー、レッド。流石にその体勢は、マズイだろ」

振り向いて確かめたわけじゃないですが、今の私の体勢はこうだと思う。

床を這う私の背……と言うか腰の上に、私とは反対方向を向いてレッドさんがまたがっている。
そして、私は今、足を撫でまわされているという、ちょっと危ない図になっていると。

「…………」
「ひゃっ!」

ツンツンと痺れが広がるように、つつかれる。

……レッドさん、絶妙な力加減ですね。
あまりの痺れ具合に、どうにかなりそうです。

「おいレッド。今、敏感になってんだから、あんま指で刺激してやんなよ。泣きそうだぜ」

……リーダー、声が笑ってます。

「……人の話聞いてた?アイディアないの?言いだしっぺのくせに」

ツンツンと更に足をつついてレッドさんは脅迫してきました。

「やっ!……えーと、ハイハイ!スロット経営したりシルフカンパニー乗っ取ったりしたらどうでしょう?」
「…………」


苦し紛れにもほどがありますね。
けれど、レッドさんの手が止ったので、ひとまずホッとしました。

「……R団っぽいね」
「ぽい…つーか別の意味でまんまR団だろ」

そうですよね。
言った本人もそう思います。

駄目だろうなと思い、次はどんなふうにイジメられるのかと、身構えていたら、

「……良いね」

なんて予想外の答えが返ってきた。

「それでいこう。グリーン、みんなに連絡」
「良いのかよ!?」
「……連絡」
「…………あー、ハイハイ」


え、本当に良いんですか?




と、いうわけで、ようやくR団っぽい事しそうです。

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